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のぞみ会の想い

本当に困っているところに
必要なものを作りたい

社会福祉法人 のぞみ会
理事長:佃 望

理事長 佃 望

華美を求めず、機能性を追求し 徹底的に無駄をなくす。

高校卒業後、設計事務所に就職し30歳で独立し、建物の設計に携わっていました。介護保険の制度ができたのをきっかけにグループホームを作ろうと色々な建物を見て回りましたが、あまりに低コストで環境の良くない建物や、無駄に豪華な建物などを見て考えさせられました。

建築業界にいたこともあり、機能性を追求した無駄のない建物を作ってはどうかと思いました。
豪華な建物よりも、今まで使っていた箪笥や小物入れなど生活感のあるものに価値があるのでは?貧弱なものはよくないが、華美でないもの無駄な装飾がないものが利用者にとっていいのではないかと。
華美を求めないというのは、コストの問題です。毎月の返済に関わります。無駄をなくせばその分を職員福利厚生の充実と地域のための施設に還元できるのです。
ここに意識を持っていかないと!という想いで作ってきました。

そうは言っても、癒される空間にするために遊び心は入れています。水路に橋を架けて隣の公園に行けるように設計したり、壁紙にはポイントで木目調を使ったり。コストダウンを図りつつも、「ゆっくり・一緒に・楽しく」をモットーに暮らせるような家庭的な環境づくりを目指しています。

本当に困っているところは何だろうか?

病気になって入院して退院して自宅に帰されます。しかし治療は終わってるけど、医療行為が必要な方が非常に多いです。在宅酸素、胃ろう、たん吸引など・・・介護福祉士では医療行為はできないので看護師の処置が必要です。最初の特養をやって気がついたことは、看護師を24時間配置しましょうとなると、特別養護老人ホーム武岡ピュアハウスだけだと対応が難しいということです。ニーズがあって困った人がいる。そこで今回谷山緑地公園の近くに、複合的な施設を作ろうと思いました。ここに行ったら誰でも受け入れられる、これが理想だなと。

自分や家族が困った時に、行きやすい場所。
人と会える場所にしたい。

コロナの時に隔離で家族との交流が遮断されて、亡くなる方が非常に多かったです。人と会えないストレスは思ったより心と体に影響が出ました。生きていく上で、人と会う、家族と会う、これが一番大事だなと実感しました。ただ食べて呼吸してだと何もならない、人は交流しないといけないんだと思い、今回の高齢者複合施設(谷山緑地苑)には展望ラウンジ、多目的ホール、地域交流ホールを作りました。とにかく地域の人々が訪れやすい場所にしたいと思っています。利用者・家族・地域の皆様には普段より慣れ親しんでもらい、安心感を持ってもらえれば幸いです。

佃 望 Tsukuda Nozomu
昭和28年2月11日鹿児島県生まれ。高校卒業後、設計事務所に就職し30歳で独立し、建物の設計に携わる。介護保険制度導入を機に地域福祉に携わりたいと思い、2002年に48歳で有限会社ライフサポートを設立。グループホーム、有料老人ホーム、デイサービス、居宅介護、訪問介護などを運営。2016年には社会福祉法人のぞみ会を設立。特別養護老人ホーム武岡ピュアハウスを開設し、現在では地域に根ざす施設となっている。超高齢化社会の到来で認知症高齢者等の地域の受け皿不足を実感し、地域密着型高齢者複合施設(谷山緑地苑)を建設。2024年春、開業予定。